舞台は浜の湯。いま、新しい旅の夢が始まります。
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浜の湯の心意気

ひと組ずつのお客様を、本当に大切にすることその積み重ねで浜の湯の今があります。

浜の湯 旅館沿革

昭和44年 民宿を始める(客室5室)
昭和48年 旅館業を開始(客室7室)
昭和52年 現在の地にて展開(客室20室)
平成7年11月 第1期 設備投資(客室44室・総投資額22億円)
平成14年10月 第2期 設備投資(客室52室・総投資額6億円)
平成19年4月 第3期 設備投資(客室51室・総投資額8億円)
平成22年7月 第4期 設備投資(客室51室・総投資額3億円)
平成28年7月 第5期 設備投資(客室51室・総投資額5億円)

『料理に特化すること』それこそが、老朽化したおんぼろ旅館を立て直すはじまりでした。

「感謝」私はこの言葉が好きです。人は一人では生きられません。 いろんな人たちに支えてもらってこそ生きてゆけます。 私どもの宿、浜の湯も同様です。お客様はもちろん、同業の方々など、実に多くの人々に支えられ、勇気をいただき、叱咤激励されて、おかげさまで今があるのです。だからこそ、日々、感謝の気持ちを忘れたことはありません。しかし、冒頭の沿革をご覧いただいてもお分かりいただけると思いますが、 平成6年頃までの浜の湯は築20年くらい経過した、部屋数20室の老巧化したおんぼろ旅館で、それを何とかやりくりしながら、ずっと我慢の時代を続けていました。

その頃、忘れられない出来事がありました。それは、お客様を送客してもらうために、某旅行会社様にお願いに訪れた時のことです。 カウンターの営業の女性と話をしている時、その向こうにいた男性の営業の方が、浜の湯のパンフレットをゴミ箱に無造作に捨てるのを見てしまったのです!

「悔しい…」

口にこそ出しませんでしたが、そのとき私は内心その言葉を叫び、想わず唇を噛み締めました。怒りが込み上げる一方、仕方ないとも思いました。その頃の浜の湯は旅行会社様からの評価は低く、ほとんど相手にしてもらえなかったというのが現実でしたから。その時です。

「絶対に浜の湯を理想の旅館にしてやるぞ!」

と改めて決意を新たにしたのは。そんな状況の中で、いったいどうすればたくさんのお客様に来ていただけるのか真剣に突き詰めて考えました。そして出した結論が料理に特化した営業戦略だったのです。そのため館内の消耗品などに掛ける経費をできるだけ抑えて、その分費用を料理に注ぎ込んで充実させました。 稲取漁港の入札権を持っていることによる金目鯛などの新鮮な海の幸の仕入れや、朝から舟盛りという朝食での驚きなどもあり、それがやがて…

「魚料理を堪能するなら浜の湯だ。また食べにくるよ」

というリピーターの方々のお言葉になっていったのです。 料理を充実させた戦略で、見た目もおんぼろで部屋数もわずか20室の宿なのに、 おかげさまで年間6億3千万円という驚くべき業績を挙げていました。それもほとんどが、リピーターの方々だったのです。しかも広告に掛ける予算は一切なし。 パンフレットもぺらぺらの粗末なもの。そうやって、宣伝費用をまったくといっていいほど使わないのに、連日満館!というのは浜の湯ぐらい・・・

しかし、旅館としてはまだまだ…外観も内装もサービスも、すべてにおいてもっと理想の旅館を創りたいという私の想いは日に日に募るばかりでした。そうしてメインバンクに設備投資のための相談を続けていた平成7年、なんと22億円もの融資が下りたのです。それというのも、メインバンクの支店長様が、 広告宣伝費も使わずに満館を続けている浜の湯の将来性・可能性・熱意を高く評価してくれて、銀行のトップに掛け合ってくれたおかげでした。涙が出るほど、本当にありがたかったです。 そしてついに、念願だったリニューアルが実現しました。でも宿は一新しましたが、宿泊料金はわずかしか上げませんでした。一般な商売としては、掛けたお金を早く回収するために値上げするのが妥当だったのですが…。

その理由は手前味噌ではありますが、それまでお世話になり支えていただいたお客様をはじめ、たくさんの方々への御礼の意味もあったのです。そのかいもあって、リピーターの方々が次々とおみえになってくれたことはもちろん、その口コミで新規のお客様もどんどん増えてゆき、初年度から爆発的な稼働ができたのです。

急成長の要因は、旅館に対するこだわりと、人のつながりや絆を大切にしてきたこと。

その後、経営体力を徐々につけながら驚異的な急成長を遂げ、 7年後の平成14年、そして平成19年には設備投資による増改築を実現したのです。 しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。正直な話、山もあり谷もありました。現在はたくさんの方々に支えられて、おかげさまで順調に営業を続けさせていただいていますが、 だからといって浜の湯は旅館としてはまだまだです。

あちらこちらに改善する面が多々ありますし、 それはお客様からもご指摘を日々いただいています。そういったことも、 精進の要のひとつにさせていただきながら、浜の湯は旅館の在り方に常にこだわり続けています。

「私は旅館こそ日本文化の象徴そのものだと想っています。」

昔ながらの旅館というのは、お出迎えからお見送りまでひとりの担当の客室係が付き、食事はお部屋出し。 それにより…お客様とのコミニケーションを大切にでき、どんな宿泊形態よりもお客様との距離が非常に近く、 忘れられない旅の演出ができるのだと考えています。 だからこそ、築20年以上経過した老朽化したおんぼろ旅館だった頃から、 人を大切にしながら、 浜の湯のファンづくり、スタッフ一人ひとりのファンづくりに励んできました。

たび重なる設備投資ができた要因、急成長の要因は、そうした人が主役の温かなおもてなしによる強烈な印象づけがあったからです。 施設・料理・サービスといった商品価値をこつこつと積み上げながら浜の湯ファンをつくると同時に、 働いているスタッフそれぞれが自分自身のファンを積み上げて来た結果なのです。

いま浜の湯ではお客様から、「客室係は○○さんを指名したい」とか、 「予約したいのでフロント係の○○くんを呼んでくれ」など、スタッフ個人の指名が増え続けています。 そんな中で泊まりにおみえになったお客様がスタッフへお土産を持って来てくれるのです。 それも一日に1組程度ではなく、何組ものお客様がそうしてくださるのです。 そこまでの信頼関係や絆をつくれたからこそ、急成長を実現できたのです。

私たちは、お客様の喜びと感動は、自分たちの喜びと感動なのだと心から純粋に信じて、 それを肌で感じながら日々のおもてなしをさせていただいております。 だからこそ、一組一組のお客様を心から大切にして、常に一期一会との心持ちで接客させていただくこと。 その積み重ねが、さらなるご満足をいただけると思っています。 しかしながらそういった面でも、浜の湯はまだまだ成長過程、これからの旅館です。

今後とも驕ることなく常に謙虚に、そして前向きに皆様からのご意見やご要望に耳を傾けて、よりいっそうの努力を続けてまいります。改めまして、お客様からの叱咤激励をいただきながら、何とかここまで成長を遂げさせていただいた浜の湯の魅力やおもてなしの心などを本サイトにてご紹介させていただきます。 本サイトをごゆるりとご一読ください。

『旅館』という文化を体現する宿を目指して、常に『本物』を提供する宿を目指していきます。

お出迎えからお見送りまで、ひとりの客室係が寄り添うこと。お食事は畳の上で召し上がっていただくお部屋出しにこだわること。

季節の移ろいを、目で、舌で楽しむ。自然の雄大さを、肌で感じる。人の温かさを、心で確かめる。日本文化の象徴とも呼べる「旅館」。そのおもてなしのひとつひとつは、お客様と密接な関係を築く大切な文化だと考えています。

この場所にいらっしゃるお客様に忘れられない旅をご提供したい。そんな一心で、浜の湯のおもてなしは成り立っています。私たち浜の湯はお客様の喜びと感動が、自分たちの喜びと感動なのだと心から信じて。

一歩一歩前へ進む。
常に本物のおもてなしを目指して。

稲取温泉 食べるお宿 浜の湯 代表取締役社長 鈴木 良成