舞台は浜の湯。いま、新しい旅の夢が始まります。
  • TEL. 0557-95-2151
  • facebook
  • instagram
  • youtube

浜の湯の心意気

ひと組ずつのお客様を、本当に大切にすることその積み重ねで浜の湯の今があります。

【浜の湯 旅館沿革】

1969年(昭和44) 民宿を始める(客室5室)
1973年(昭和48) 旅館業を開始(客室7室)
1977年(昭和52) 現在の地にて展開(客室20室)

【設備投資前】

●客室数24室、収容人員128人
【第1期:1995年(平成7)10月オープン】
●投資額22億円 中央館増築工事:59室、収容人員291人 
【第2期:2002年(平成14)10月オープン】
●投資額5.5億円 南館増築工事(露天風呂付き客室8室整備等):65室、収容人員325人
【第3期:2007年(平成19)4月オープン】
●投資額8.5億円 北館の前面増築+既存北館改装(3~7階客室+8階屋上大露天風呂整備等)
●57室、収容人員298人
【第4期:2010年(平成22)7月竣工】
●投資額2.1億円 中央館7階客室改装、屋上貸切風呂・テラス改装:51室(露天風呂付21室)
【第5期:2016年(平成28)7月竣工】
●投資額5.2億円 フロント・ロビー周り、4~6階客室、厨房等改装:50室(露天風呂付20室)
【第6期:2022年(令和4)12月竣工】
●投資額6.2億円 食事処を露天風呂付客室4室へ改装、外観改装等:56室(露天風呂付24室)
【第7期:2023年(令和5)12月竣工】
●投資額2.5億円 既存客室を露天風呂付客室4室へ改装等:56室(露天風呂付28室)
【第8期:2024年(令和6)6月・8月竣工】
●投資額3.5億円 宴会場を貸切風呂2箇所および個室食事処へ改装等:56室(露天風呂付28室)
【第9期:2025年(令和7)5月~7月、9月~11月予定】
●投資額2.5億円(見込) 客室改装4室、ラウンジ・カラオケの改装等:56室(露天風呂付28室)

『料理に特化すること』それこそが、老朽化したおんぼろ旅館を立て直すはじまりでした。

「感謝」私はこの言葉が好きです。人は一人では生きられません。 いろんな人たちに支えてもらってこそ生きてゆけます。 私どもの宿、浜の湯も同様です。お客様はもちろん、同業の方々など、実に多くの人々に支えられ、勇気をいただき、叱咤激励されて、おかげさまで今があるのです。だからこそ、日々、感謝の気持ちを忘れたことはありません。しかし、冒頭の沿革をご覧いただいてもお分かりいただけると思いますが、 平成6年頃までの浜の湯は築20年くらい経過した、部屋数20室の老巧化したおんぼろ旅館で、それを何とかやりくりしながら、ずっと我慢の時代を続けていました。

その頃、忘れられない出来事がありました。それは、お客様を送客してもらうために、某旅行会社様にお願いに訪れた時のことです。 カウンターの営業の女性と話をしている時、その向こうにいた男性の営業の方が、浜の湯のパンフレットをゴミ箱に無造作に捨てるのを見てしまったのです!

「悔しい…」

口にこそ出しませんでしたが、そのとき私は内心その言葉を叫び、想わず唇を噛み締めました。怒りが込み上げる一方、仕方ないとも思いました。その頃の浜の湯は旅行会社様からの評価は低く、ほとんど相手にしてもらえなかったというのが現実でしたから。その時です。

「絶対に浜の湯を理想の旅館にしてやるぞ!」

と改めて決意を新たにしたのは。そんな状況の中で、いったいどうすればたくさんのお客様に来ていただけるのか真剣に突き詰めて考えました。そして出した結論が料理に特化した営業戦略だったのです。そのため館内の消耗品などに掛ける経費をできるだけ抑えて、その分費用を料理に注ぎ込んで充実させました。 稲取漁港の入札権を持っていることによる金目鯛などの新鮮な海の幸の仕入れや、朝から舟盛りという朝食での驚きなどもあり、それがやがて…

「魚料理を堪能するなら浜の湯だ。また食べにくるよ」

というリピーターの方々のお言葉になっていったのです。 料理を充実させた戦略で、見た目もおんぼろで部屋数もわずか20室の宿なのに、 おかげさまで年間6億3千万円という驚くべき業績を挙げていました。それもほとんどが、リピーターの方々だったのです。しかも広告に掛ける予算は一切なし。 パンフレットもぺらぺらの粗末なもの。そうやって、宣伝費用をまったくといっていいほど使わないのに、連日満館!というのは浜の湯ぐらい・・・

しかし、旅館としてはまだまだ…外観も内装もサービスも、すべてにおいてもっと理想の旅館を創りたいという私の想いは日に日に募るばかりでした。そうしてメインバンクに設備投資のための相談を続けていた平成7年、なんと22億円もの融資が下りたのです。それというのも、メインバンクの支店長様が、 広告宣伝費も使わずに満館を続けている浜の湯の将来性・可能性・熱意を高く評価してくれて、銀行のトップに掛け合ってくれたおかげでした。涙が出るほど、本当にありがたかったです。 そしてついに、念願だったリニューアルが実現しました。でも宿は一新しましたが、宿泊料金はわずかしか上げませんでした。一般な商売としては、掛けたお金を早く回収するために値上げするのが妥当だったのですが…。

その理由は手前味噌ではありますが、それまでお世話になり支えていただいたお客様をはじめ、たくさんの方々への御礼の意味もあったのです。そのかいもあって、リピーターの方々が次々とおみえになってくれたことはもちろん、その口コミで新規のお客様もどんどん増えてゆき、初年度から爆発的な稼働ができたのです。

団体客から個人客へのシフトは、旅館の真価が問われる試練のひとつでした。

その後、経営体力を徐々につけながら驚異的な急成長を遂げ、 7年後の平成14年に6億円で第二期設備投資を行いました。当時からすでに団体客減少の兆しはありましたが、旅館はまだまだ旅行会社依存型が主流で、客室タイプも団体志向。客室の差による顧客クレーム回避のため画一化を余儀なくされていました。その中にあって浜の湯は、この設備投資で露天風呂付き客室を8室造成しました。ひとつの旅館で露天風呂付きは限られた特別室など2~3室程度が定番だった時代、8室もの露天風呂付きがあること自体が非常に冒険的で希少でした。それだけにお客様からの注目度も高く、大変な評判となりました。

第二期設備投資で浜の湯の施設としての個性は飛躍的に高まりましたが当然、施設だけで個人客はリピートしてはくれません。接客の技術、さらに部屋出しのさらなるクオリティを求め、同じタイミングで、旅館業界初となる4大学卒の人材の積極採用にも取り組みました。旅館で働くことの手応えや喜びを、いかに魅力として伝えるか。そしてそこに創業以来、一貫して担当制を貫いてきた浜の湯の理由あるこだわりを共感してもらえるよう、心をくだきました。

部屋出しについても、入社した社員自身に実際のオペレーションの中でひとつ、ひとつ考えてもらいました。そんな試行錯誤の毎日から生まれたのが、現在も実施している顧客カルテのシステムです。この取り組みも意識改革の一環として、4大卒の新卒採用と同じ時期にスタートしました。若いとどうしても、目の前のことしか見えないものです。しかし、そこに自分が一生懸命にやったことを目で見えるカタチで残せるものがあれば、もっと長い視座で自分が行う作業がもたらす意味を理解し、常に高い問題意識で主体的に取り組んでいけると思いました。 顧客カルテは、スタートからはや四半世紀。今ではお客様との信頼を浜の湯の大切な資産となっています。

「旅館に対するこだわりと、人のつながりや絆を大切に。」

そして平成19年、8億円を投じて第三期の設備投資による増改築を行い、露天風呂付客室がさらに倍の16室になりました。宿泊単価も上がったことで、これまでの担当制を崩さずに、いかにお料理の満足度を上げるかについても徹底的に追及しました。

浜の湯では基本、一人が2~3部屋を担当します。12品あるお料理はお客様の食事のスタートや召し上がるタイミングに合わせるため、同時進行で先を見越した準備をしなければならず、一人前のオペレーションができるまではとても時間がかかるんです。そのため、作業の効率を少しでも上げようと、現場から要望の高かった温蔵庫や保冷庫、食洗器など、裏動線での設備の導入も積極的に行いました。こうした取り組みをすることで余力が生まれ、そのぶん、またお客様にして差し上げられることが出てくるんです。

実際に当時、担当者の提案で今も実施しているサービスのひとつに、金目鯛の煮付けや蒸し鮑の取り分けがあります。1尾の大きな金目鯛をお客様の目の前できれいに取り分ける手さばきは、中居さんの腕の見せどころ。エンターテインメント性もあって、感動していただけるだけでなく、そこで交わす会話も含め、浜の湯への大きな信頼につながっています。料理の品質は料理そのものの評価だけでなく、出し手の評価も重要。その精度を上げない限り料理の評価は上がりません。浜の湯では、そんな人と人とのつながりや絆づくりをコツコツと実践してきました。入社したての社員についても精度を上げるためにいま何ができるのか、自発的に考える職場づくりを意識しています。

コロナ禍ではお客様との絆に助けられ、これまでの取り組みが大きな自信につながりました。

令和2年頃から始まったコロナ禍では人との接触が禁止され、旅館が休業に追い込まれました。その中にあって浜の湯は名物の「金目鯛の煮付け」のお取り寄せが一ヶ月で3,000万円!と、まさに驚異的な売上げを叩き出し、お客様に大変助けていただきました。調理場は連日稼働で調理が追い付かないほどです!

多くの団体客向け旅館が壊滅的なダメージを受けるなか、国の補助金政策により、全国各地に蜜回避をアピールする露天風呂付客室が次々と造られました。しかし料理提供については部屋出しとうたいながら、実際は一度に運ぶお膳料理などで、後出しするお料理数も少なく中途半端。その意味で、コロナ禍以前から全客室に完全な一品ずつの部屋出し、しかも感染リスクが極めて低い担当制だった浜の湯は逆に注目を浴び、お客様から絶大な信頼を得たのです。浜の湯にとってコロナ禍は、これまでの取り組みへの確信をくれた出来事でした…。

当時、浜の湯の繁盛ぶりを見て部屋出しを始めるところもありましたが、今まで全くやったことのないことをいきなり出来るわけがないわけです。結局、それも追い風となって浜の湯は毎年、毎年、過去最高売り上げを更新!コロナ禍が去った後も、変わらず続いたお客様との絆によってリピーター客もさらに増加して。半年前以上前からお客様が早々と予約をしてくださるおかげで、3ヶ月先の売上把握もできるようになりました。

生涯に渡って愛される旅館づくりのための、「1タイプ1部屋」という考え方。

リピーター客が増えるほど、色々な層のお客様がいらっしゃるわけです。平成14年に新規増設した露天風呂付きの8部屋は3万円ちょっとの単価でしたが、平成19年の第3期設備投資では4万円代の部屋を造りました。次にその中間の料金帯がないため、3万5000円程度の露天風呂付を増設しました。すると、もう泊まりたい部屋がないからといった理由で、より高単価の部屋を希望するリピート客が来なくなる。そこで、平成22年の第4設備投資ではさらにもうひとランク上の部屋を用意しました。

同時に一番利用率が高いボリュームゾーンの一般客室を改装し、かつ部屋タイプを増やすことで、多くのお客様の満足度を叶え、次に泊まる楽しみを提案してきました。さらに平成28年の第五期、さらに続く令和4年の第六期の設備投資では宿泊料金が6万円台から7万円超のスイートタイプ露天風呂付き客室を新設し、施設もさらに充実。その後も進化は続き、令和5年の第7期設備投資では、既存の客室を露天風呂付き客室へと4室改装。これにより部屋数は全56室、うち露天風呂付き客室が28室となりました。浜の湯の施設戦略とは何かと問われれば、常にお客様の要望を先読みした、魅力ある一般客室の改装と露天風呂付の新たな部屋の造成、それをバランスよく組み合わせたものです。

浜の湯で一番多いのは、お客様が利用しやすい3~5万円の価格帯のお部屋です。例えば、ある顧客が30歳で3万円代のお部屋に泊まるとします。その顧客が5、6年経って年収が上がれば4万円代のお部屋に泊まれるようになる。年に一回程度の利用なら8タイプくらいのお部屋があれば選べます。さらにまた5,6年経って5万円代のお部屋に泊まれるようになった際も、8タイプあれば好みの部屋が選べます。

つまり、手頃な価格帯のお部屋が8タイプ程度あれば、常に新鮮な思いで泊まることができる、だからリピートできるわけです。そしてその顧客が60代くらいで8万円以上のところに泊まるようになる。そうやって生涯に渡ってお客様とつきあえる宿づくりを仕掛けていかないと、せっかく築き上げた出会いがもったいないと私は思っています。浜の湯の「1タイプ1部屋」は、この理由あっての戦略なのです。

実は浜の湯ではお部屋毎のお料理内容は大きく変わりません。そうしないと全56部屋での部屋出しは無理ですので。だから利用しやすい単価のお部屋ほど高コストパフォーマンスというわけです。そして、その単価のお客様の部屋タイプが多いからこそ、高い満足度で安定した高稼働になっています。

宿泊産業の中で唯一、日本文化を感じさせることができる施設が旅館です。

「私は旅館こそ日本文化の象徴そのものだと想っています。」

近年はインバウンドのお客様も増えています。海外からのお客様の多くが口を揃えて言うのが、日本に旅行に来る最大の目的は日本文化を感じたい、体感したいだそうです。旅館は建物や部屋の造りから畳文化、接客における和室マナーなど、宿そのものが日本文化の象徴です。宿泊産業の中で唯一、日本文化を感じさせることができる施設が旅館なのです。だからこそ、私たちは昔ながらの担当制や部屋出しをやめられません。

浜の湯では世界に誇る日本のこのアイデンティティを、さらに象徴的な空間で体験して欲しいという思いから令和7年11月、館内に立礼茶室「ZEN」を新設しました。立札式(椅子席)のモダンな茶室では裏千家の茶人による本格的な呈茶をお出ししています。海外の方はもちろん、日本人の方にとっても、自分の国の美しく奥深い文化を見つめ直す新鮮な体験となればと思っています。

茶道の心得である、一期一会という言葉。一人ひとりのお客様との出会いを大切に、浜の湯が一介の小さな旅館から度重なる設備投資を経て、浜の湯が急成長を続けてこられた要因は、まさにこの言葉どおり、人が主役の心通うおもてなしを貫いてきたからに他なりません。 施設・料理・サービスといった商品価値をコツコツと積み上げながら浜の湯ファンをつくると同時に、 働いているスタッフそれぞれが自分自身のファンを積み上げて来た結果なのです。

いま浜の湯ではお客様から、「客室係は○○さんを指名したい」とか、 「予約したいのでフロント係の○○くんを呼んでくれ」など、スタッフ個人の指名が増え続けています。 私たちは、お客様の喜びと感動は、自分たちの喜びと感動なのだと心から純粋に信じ、 それを肌で感じながら日々おもてなしをしております。

浜の湯はまだまだ成長過程、これからの旅館です。今後とも驕ることなく常に謙虚に、そして前向きに皆様からのご意見やご要望に耳を傾け、よりいっそうの努力を続け、旅館の変わらぬ在り方に常にこだわり続けてまいります。

『旅館』という文化を体現する宿を目指して、
常に『本物』を提供する宿を目指していきます。

お出迎えからお見送りまで、ひとりの客室係が寄り添うこと。お食事は畳の上で召し上がっていただくお部屋出しにこだわること。

季節の移ろいを、目で、舌で楽しむ。自然の雄大さを、肌で感じる。人の温かさを、心で確かめる。日本文化の象徴とも呼べる「旅館」。そのおもてなしのひとつひとつは、お客様と密接な関係を築く大切な文化だと考えています。

この場所にいらっしゃるお客様に忘れられない旅をご提供したい。そんな一心で、浜の湯のおもてなしは成り立っています。私たち浜の湯はお客様の喜びと感動が、自分たちの喜びと感動なのだと心から信じて。

一歩一歩前へ進む。
常に本物のおもてなしを目指して。

稲取温泉 食べるお宿 浜の湯 代表取締役社長 鈴木 良成