舞台は浜の湯。いま、新しい旅の夢が始まります。
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お知らせ

一番良かった旅館はどこ?

最近ある方から、今まで泊まった旅館の中で良かった宿を教えてください?と質問を受けた。
私は真っ先に飛騨高山の倭乃里という旅館を教えた。
離れ形式の高級旅館。
何が素晴らしいかというと施設ではない、料理でもない、仕掛けがすごい。
そこには我々旅館の主人や女将が忘れかけていた旅館の心が満ち溢れていました。
具体的に言えば、高級旅館としてのプライベート感覚はきっちり保たれている。
部屋は離れで食事も個室でいただける。
館内宿泊客は我々だけではないかという錯覚に陥るほど静寂。
しかしこのプライベート重視から一気に180度変化するときがある。
それは個室で夕食をとった後、係(仲居さん)が「ロビーの大きな囲炉裏のところで、
かっぽ酒を無料でサービスしてますから是非お立ち寄り下さい。」の一言から始まった。
さっそく顔を出すと、泊り客は我々しか居ないのではとおもっていたがとんでもない。
年配のご夫婦、母娘の二人旅等様々なお客様が囲炉裏を囲んでいる。
そこでかっぽ酒を振舞うおっちゃんが実に粋である。
地元の歴史等知識が豊富で色々なことを教えてもらった。
このぐらいは言ってみれば普通である。
なんとおっちゃんはお客様同士の会話の橋渡しを自らしているのです。
「お客さん、どちらからお越しですか?」
「静岡です。」
と答える。
すかさず、おっちゃんが
「あっ!そこのお客さんも静岡でしたよね。」
とあるご夫婦に話しかける。
するとおもしろいものでこのご夫婦との距離感が一気に縮まる。
「静岡県のどこからお越しですか」
という会話から我々お客同士の会話に花が咲く。
夜中12時半まで話が尽きず見ず知らずの方と酒を飲みました。
ここがすごいのです。
お客様の思い出のひとつになるよう、われわれ旅館スタッフはお客様とコミュニケーションを取り様々な会話を致します。
しかしお客様同士のコミュニケーションを取らせる、会話をさせる仕掛け創りなど忘れていました。
スタッフとの会話だけでなくお客様同士の会話もこの旅館に泊まった時の強烈な思い出として感じさせてくれる。
素晴らしい宿です。
旅館の原点、旅館らしさを見事に表現している。
当館でもお客様同士のコミュニケーションの提供の仕掛けをしたい。
しかし、なかなか難しい。
早くこれだという答えをだしたい。
何か良い智恵がございましたら教えてください。

稲取温泉 浜の湯 社長 鈴木良成

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