ある客室係の感動エピソードを紹介します。
ごくありふれた家族旅行のお客様。
小学校6年生位のお子様と生まれてまもない赤ちゃん、そしてご両親の家族旅行です。
旦那様と担当客室係は出身大学が同じこともあり会話がはずみます。
和やかに和気藹々と楽しく接客させていただき、お客様もお喜びの様子でした。
それはチェックアウトを済ませたばかりでお見送りに来たときのことです。
奥様が駆け寄ってきて思いがけないことを話し始めたそうです。
「実は小学校6年生と生まれたばかりの赤ちゃんとの間にはもう一人子供がいました。
悲しみのどん底で旅行するのは思い出せないくらい久しぶりでした。
本当はこの旅行も気分的にのらないのでキャンセルしようかとも考えたくらいです。
でも、浜の湯に御邪魔させていただいて本当に良かった。
あなたの素晴らしい笑顔に感動しました。
今までの悲しみがあなたの心からの笑顔の接客で癒されました。
本当に有難う。｣
涙を流しながら話しかけていただいたそうです。
その話を聞きながら私も熱いものがこみ上げてきました。
彼女の能力の高さを改めて感じました。
これが旅館なのです。
きっとこれから先もさらに多くの感動エピソードが生まれることでしょう。
接客って本当に素晴らしい。

稲取温泉　浜の湯　社長　鈴木良成

写真はスイート・プライベート・スパ(貸切風呂)の一部、寝湯のワンカット。